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訪問診療・在宅医療でカルテ記録が後回しになる理由と、移動時間を生かす記録の考え方

訪問診療や在宅医療では、患家や施設を一件ずつ回り終えてから、あるいは診療がひと区切りついた後にまとめてカルテを書く、という進め方になりがちです。これは担当する医師の能力や意識の問題ではなく、「移動」と「記載」がそもそも別々の工程として組み立

訪問診療や在宅医療では、患家や施設を一件ずつ回り終えてから、あるいは診療がひと区切りついた後にまとめてカルテを書く、という進め方になりがちです。これは担当する医師の能力や意識の問題ではなく、「移動」と「記載」がそもそも別々の工程として組み立てられていることに起因します。本記事では、この構造を整理したうえで、移動にともなう時間を記載作業の”空白”ではなく「記憶が新しいうちに整理できる資源」として捉え直す考え方を紹介します。

訪問診療でカルテ記載が「後回し」になりやすい構造

外来診療であれば、診察室という同じ場所で患者の入れ替わりが起こるため、一人分の診察が終わった直後にその場で電子カルテへ入力する、という流れをつくりやすい環境があります。

一方、訪問診療・在宅医療は「移動→対応→移動→対応」の繰り返しです。ある患家での診療を終えたら、次の患家や施設へ向かうまでの間にカルテを開いて入力する、という工程が挟まりにくく、結果として「後でまとめて書く」という選択が自然に生まれます。一日に複数件を回る訪問診療医であれば、この構造そのものは避けようがない部分も大きいはずで、同一施設内で複数の患者を訪問する場合は尚更です。

書類作成にまつわる負担が診療後の残業につながりやすいという点は、外来を含めた医師の働き方全体に共通する課題でもあります。この一般的な構造については「医師の残業が減らない本当の理由」でも取り上げていますが、訪問診療の場合はそこに「場所が固定されていない」という要素が加わり、後回しが起きやすい構造がより強く働く形になります。

「まとめて後で書く」ことで生じる負担と記憶の摩耗

一件ごとにその場で記載できず、複数件をまとめて後から書くことになると、単純に作業量が積み上がるだけでなく、記憶の面での負担も生じます。

訪問した患家・施設が複数あるほど、それぞれの患者の様子や会話のニュアンス、家族から聞いた情報などが記憶の中で混ざりやすくなります。診察直後であれば鮮明だった細部も、数件先まで進んでから振り返ると、輪郭がぼやけてしまうことは珍しくありません。

その結果、カルテを書く段になって「あの患者さんは何と言っていたか」を思い出す作業そのものに時間と労力がかかり、記載作業への心理的な負担感が増していく、という悪循環が起きやすくなります。これは記載スピードの問題というより、記憶が新しいうちに文章化できていないことに起因する負担だと捉えることができます。

記憶が新しいうちに文章化するという発想——会話からカルテ文章の下書きを作る仕組み

記憶が新しいうちに文章化するという発想を実現する手段の一つが、診察中の会話そのものを記録として活用する方法です。診察のやり取りを録音し、そこからカルテ文章の下書きを作成できれば、記憶を後から呼び起こして一から文章を組み立てる作業とは異なるアプローチになります。

弊社アプリのModeNote.Voiceは、この考え方に基づくブラウザ拡張です。診察中の会話を録音し、そこから作成した文章の下書きを、録音を止めると、待つほどもなく、いま開いているカルテの入力欄に挿入します。次の診療までの短い合間といったタイミングでも、記憶をたどりながら一から文章を組み立てる作業とは違う形で、下書きに手を加えていくことができます。

ModeNote.Voice は診察会話からカルテの文章の下書きを作成する補助ツールです。医師が内容を確認・修正したうえで記録します。診断や治療の判断は行いません。

使っているクラウド電子カルテを変えずに導入できるという前提

訪問診療・在宅医療では、クラウド電子カルテを使用していることが一般的です。 音声入力・AI入力支援をうたう製品の中には、自社の電子カルテへの乗り換えが前提になっているものや、録音・文字起こしの結果をQRコードなどで一度読み込んでから電子カルテへ転記する必要があるものもあります。後者の場合、転記という作業自体は残り続けます。

ModeNote.Voiceはブラウザの拡張機能として動作し、診察中に開いているクラウド電子カルテの入力欄へ直接下書きを挿入する形をとります。電子カルテそのものを入れ替える必要がなく、環境を変えずに検討できる点が特徴です。電子カルテを替えずに記載の負担を見直す考え方については「医師のカルテ残業が終わらない構造と、電子カルテを替えずに減らす道筋」でも整理しています。

まとめ:後回しを減らす鍵は「移動中の作業追加」ではなく「記載タイミングの見直し」

訪問診療でカルテ記載が後回しになるのは、医師個人の問題ではなく、「移動」と「記載」が別工程として設計されている業務構造に起因します。この構造を変えないまま「もっと速く書く」ことを目指すのではなく、記憶が新しいうちに整理できるタイミングを、業務の中にどう組み込むかという発想の転換が一つの糸口になり得ます。

そして、その整理を後押しする手段として、診察の会話から下書きを作成し、電子カルテへそのまま重ねて使えるツールがあるかどうか。この二点が、訪問診療におけるカルテ記載の後回しを見直す際の出発点になります。

ModeNote.Voiceについて詳しくは製品ページ(/voice)をご覧ください。実際の画面での動きは45秒デモ(/demo)で確認できます。今お使いの電子カルテでそのまま使えるかどうかは、製品ページから確認いただけます。

監修: 山本康人